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学校仲裁所の根拠とは?
「社会性訓練の窓」の図(テッド・ワチテルによる)
図−「社会性訓練の窓」
(テッド・ワチテル)

 「学校仲裁所」は、犯罪やもめ事に対しての「修復的対応」が基本になっています。

 左の図は「社会性訓練の窓」と称されています。四つの窓はそれぞれ、犯罪やもめ事への社会の対応を示しています。左のスケールは犯罪やもめ事に対しての「管理・懲罰」の度合いを示し、上に行くほどそれらが高い事を意味します。下のスケールは同じく、犯罪やもめ事に対しての社会の「寛容さ」「温情」のレベルを示します。
 左上の窓は従って、犯罪やもめ事の解決に懲罰的であること、事件の大きさに応じた法による刑罰を下す度合いが強いことを意味します。その逆に右下の窓は「温情的対応」が主である社会を意味します。この部分はノルウェーでは「カーリングタイプの親」と言う言い方をします。氷上スポーツである「カーリング」は、氷上を進むストーンに対して、競技者が先回りをして氷上を法規で掃き清めます。このことを親が「子どもの進む道を先回りをして掃き清める」ことをなぞらえたものです。
 左下の「放置的対応」は事件や犯罪に何らの対応もしないことを意味し、子育てであればネグレクトの状態です。

 これらに対して、右上の窓は「修復的対応」と言われています。事件や犯罪を単に罰するだけではなく、被害者に対して自ら引き起こした問題を、被害者の視点に立って見つめ直す機会を与え、自らの抱える問題と向き合う場を与えるものです。そのことを通して加害者は、「被害者への謝罪や自らの社会的な存在を修復する」というものです。この「修復的対応」が、「学校仲裁所」制度の基本であり根拠です。つまり、もめ事の相手との関係やもめた自分自身を修復する、そういう場を当事者に与えるという考え方が基本です。



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